ホノシネ

ある日、集まったお酒好きな5人が時を同じくして失恋していた。その日、悲しみを分かち合ううちに、誰かが突然言った。「本当はこんなバンドを組みたかったんだよね」。その「こんなバンド」とは、前世の記憶を持つという超自己啓発本を読んでいたばかりの彼らが考えた、ノシュタイン・ベヒシュタイン・アインシュタイン（の字が一文字ズレた）をもじったバンドネーム。歌い手以外は全員初心者であり、MVのセットを作りながら肝心の曲はアレンジャーにオリジナルで作ってもらっている。初めてのMVは楽しすぎて、そのエネルギーを誰かに伝えたくて、地元の音楽祭に出たところ、誰も止めなかった。